ウエディング・ドレスに紅いバラ(田中芳樹)

ラノベくるくるシャッフル*1で担当になったので読みました。以下感想です。
この作品は、最初に世に出たのが1987年(21年前!)であり、そのあと数回のリニューアルが行われています。今回読んだのはそのうち最も最近のものであり、2007年6月に小林立氏のイラストと共に出版されています。
本編の内容は…いわゆる吸血鬼ものなのですが、吸血鬼もの特有の要素はさほど多くありません*2。また、話の流れとしては「ハラハラドキドキの展開!」というよりはむしろ淡々と進んでいくタイプの話であり、物語のスピード感はあまり感じられませんでした*3。反面、各キャラクターの日常的な悩み・喜びなどは細やかに描写されており、主要キャラクターは概ね魅力的に描かれていたと思います(流石に現在では若干古臭く感じられる気もしますが)。ただ、ストーリー展開の壮大さ*4(?)は良かったのですが、全体のオチがイマイチだったのが残念でした*5
文体は整っていて読みやすく、読んでいる最中にそう不満は感じなかったのですが…総評としては「読んで損をするほどではないが、今改めて読むほどでもない」といったところでしょうか。
オススメ。100点。*6

*1:数人でそれぞれ1冊づつライトノベルを購入したのち、それをシャッフルして全員に再配分し、各自割り当てられたものを読了して感想を書かなければならないという企画。自分は今回参加2回目です。

*2:設定的には色々出てきますが、結局のところ本筋とは関係ない部分が殆どです。

*3:東京全体が無法地帯になっているのに、主人公達は「どうしたものかな」くらいの軽い感じでコーヒーを飲んでいる辺りなどは(作品の特色なのでしょうが)シュールすぎる気がしました。

*4:主に東京壊滅的な意味で。

*5:というか、一体話はどこにオチたことになるんでしょうか…?微妙にオチていないような…。

*6:決まり文句(?)です。