true tears総括

富山アニメということで追いかけてきた本作ですが、無事に終了しました。
言いたいことは色々あるんですが、総合的にはそれなりに良かったと思います。100点満点で言えば60点くらい。
…まあなんというか、自分的には11、12、13話というラスト3話の流れが非常に納得いかなかったので、それまで高かった(85〜90点くらいだった)評価が随分下がりました。より具体的には、10話でようやく眞一郎が決意したように描写しておきながらその後2話以上もまたウダウダした点*1、また眞一郎の行動が結局「比呂美にフラれたと思ったから乃絵に走ったけど実は比呂美にフラれたわけではなかったから乃絵にゴメンナサイした」という形になってしまった*2、後半完全に愛ちゃんが(物語的に)いらない子だった、愛ちゃんと三代吉がヨリを戻すのが早すぎ&きっかけが薄すぎなどなど、(究極的に原因を辿ると)時間不足からくる詰め込みの影響による描写不足が、物語全体の魅力を大きく損ねてしまった気がします。
とりあえず、乃絵に関する考察は知り合いがこちらでしている考察がほぼその通りだと思うので、自分は特に何も言いません。というわけで自分は比呂美についてちょっと言及しておきますと、比呂美はわりとよいキャラクターだったと思います。昨今のアニメにありがちな「理想化された(欠点が描写されない、もしくは欠点も魅力に見せるような描写がされる)キャラクター」ではなく、「リアルな(欠点を欠点として描写する)キャラクター」として描かれていたのは良かったと思います。ただ、逆に欠点描写をしっかりやろうとする余り、魅力の描写が少なかったのではないかという気もします*3。この辺りのバランスも(話数の問題もあったのかも知れませんが)もう少し改善してもらいたかったです。


最後に総括ですが、視聴しているあいだ(少なくとも10話まで)は毎週とても楽しめました。よって「よい作品だったと思います」。具体的には、自分は普段アニメDVDは買ったことがないのですが、お布施の意味で今回初めて1巻を買いました。しかし、2巻以降を買うつもりはありません。これが自分のこの作品に対する評価です*4
以上をもって、この作品の感想を終えたいと思います。

*1:言い換えると「シリーズ構成の微妙さ」ということになるのですが…前半はわりとよい配置がなされていると感じただけに、なぜ最後の3話(10話からの流れを考えると4話)の流れが悪かったのかは疑問が残ります。

*2:好意的に内面まで考察するならば話はそう単純ではない気もしますが、表面的にはそう見えてしまうため、具体的な物語上でのフォローがない限り、この解釈に対して否定意見は出し辛いのではないでしょうか?

*3:眞一郎が比呂美のことを好きな理由はほとんど描写されておらず、「笑顔がずっと気になっていた」くらいしかありません。その描写と本編の陰鬱な比呂美だけを見ていると「何故?」という疑問が呈されるのもむしろ当然といってもいいくらいでした。

*4:端的に言うなら「次に期待」という感じです。